SADC
Section: Linux User's Manual (8)
Updated: FEBRUARY 2019
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名前
sadc - システム活性度のデータ収集を行う。
書式
/usr/lib64/sa/sadc [ -C
comment
] [ -D ] [ -F ] [ -f ] [ -L ] [ -V ] [ -S { keyword [,...] | ALL | XALL } ]
interval
[
count
] ] [
outfile
]
説明
sadc
コマンドは、指定した回数
(count) と指定した間隔 (秒数)
(interval) でシステムデータのサンプリングを行う。
このコマンドはバイナリ形式で、指定した
outfile
を書き出すか、標準出力に書き出す。
outfile
が - に設定された場合、
sadc
は標準システム活性度日次データファイル
(standard system activity daily data file) に書き出す (下記を参照)。
この場合、ファイルが既に存在するときは、もし前月のものであれば
sadc
は上書きする。
デフォルトでは
sadc
はカーネルからほとんどのデータを収集する。
しかし、オプションの指標がある場合、
明示的に関連するオプションを渡して
sadc
に収集させることができる (下記のオプション -S を参照)。
標準システム活性度日次データファイルは、
-D
が指定されない限り、
saDD
という名前である。
指定された場合、
saYYYYMMDD
という名前である。
ここで、YYYY は現在の年、MM は月、DD は日である。
デフォルトでは
/var/log/sa
ディレクトリにある。
ファイルの場所は別のディレクトリを指定することもできる。
outfile
が (プレーンファイルではなく) ディレクトリの場合、
標準システム活性度日次データファイルが保存される
ディレクトリと解釈される。
count
パラメータが指定されない場合、
sadc
はデータを終わりなく書きつづける。
interval
と
count
の両方が指定されない場合、かつオプション -C が使われない場合、
ダミーレコードが書かれる。
ダミーレコードは、カウンターを 0 からリスタートさせるときに、
システムのスタートアップの時間をマークするために使われる。
例えば、システムのスタートアップスクリプトの 1 つには、
日次データファイルにリスタートのマークを書き込むために、
下記のコマンドラインのエントリが含まれているだろう。
/usr/lib64/sa/sadc -
sadc
コマンドは
sar
コマンドのバックエンドとして使うことを意図している。
注意:
sadc
コマンドはローカルの活性度のみをレポートする。
オプション
- -C comment
-
interval
と
count
パラメータがともに指定されない場合、
このオプションを指定すると、
sadc
は指定した
comment
文字列を含むダミーレコードを書き込む。
このコメントは、後から
sar
のオプション -C で表示できる。
- -D
-
標準システム活性度日次データファイルとして、
saDD
ではなく、
saYYYYMMDD
を使う。
- -F
-
outfile
の作成を強制する。
ファイルが既に存在し、フォーマットが
sadc
が認識できない場合、ファイルを切り詰める。
これは日次データファイルが
sadc
の古いバージョンで作成されていて、現在のバージョンと既に
互換性がない場合に役立つ。
- -f
-
fdatasync() はデータをディスクに書き出すことを保証するために使われる。
これは、突然のシステムリセットでも saDD データファイルを破損しづらくする
通常の操作とは異なる。
一方で、sadc プロセスの性能が犠牲になり、
データがキャッシュではなくディスクに書き出される間、進行が妨げられる。
- -L
-
sadc
は
outfile
に書き込み、または切り詰めを行う前に、排他ロックを行う。
既存のファイルへの通常レコード (つまり、ダミーやヘッダでない) の
書き込みを除いて、ロック取得の失敗が致命的である場合、
sadc
は次の期間に再度ロックを試みる。
一般的ではないが、ロックが失敗する理由は、他の
sadc
プロセスがファイルへの書き込みを待っている場合がある。
これは
sadc
の起動に cron を使っている場合に起こる可能性がある。
システムの負荷が高い場合、古い
sadc
では、cron が新たに
sadc
を起動する際にまだ動作している場合がある。
このような場合、ロックがないとシステム活性度ファイルが
壊れてしまう。
- -S { keyword [,...] | ALL | XALL }
-
指定可能なキーワードは、DISK, INT, IPV6, POWER, SNMP, XDISK, ALL, XALL である。
sadc
に収集させるオプションの活性度を指定する。
いくつかの活性度は、データファイルを大きくし過ぎないように
オプションになっている。
DISK
キーワードを指定すると、
sadc
はブロックデバイスのデータを収集する。
INT
キーワードを指定すると、
sadc
はシステム割り込みのデータを収集する。
IPV6
キーワードを指定すると、
sadc
は IPv6 統計を収集する。
POWER
キーワードを指定すると、
sadc
は電源管理統計を収集する。
SNMP
キーワードを指定すると、
sadc
は SNMP 統計を収集する。
ALL
キーワードは、上記のすべてを指定したのと同じである。
よって、上記のすべての活性度が収集される。
XDISK
キーワードは
DISK
の拡張で、
sadc
はディスク統計に加えて、
パーティションとファイルシステム統計を収集する。
このオプションはカーネル 2.6.25 以降でのみ動作する。
XALL
キーワードは、上記の (キーワード拡張を含む) すべてのキーワードと
同じであり、指定可能なすべての活性度を収集する。
重要な注意点: 既存のデータファイルに保存された (オプションを含む) 活性度は、
オプション -S で選択された活性度より強い。
結果として、既存データファイルにデータを追加する場合、
オプション -S は無視される。
- -V
-
バージョン番号を表示して、終了する。
環境変数
sadc
コマンドは下記の環境変数を利用する。
- S_TIME_DEF_TIME
-
この環境変数が存在し、その値が
UTC
の場合、
sadc
はデータを UTC 時間で保存する。
sadc
は
/var/log/sa
ディレクトリにある現在の日次データファイルの時間として、
ローカル時間ではなく UTC 時間を使う。
例
/usr/lib64/sa/sadc 1 10 /tmp/datafile
-
1 秒間隔で 10 レコードをバイナリファイル /tmp/datafile に書き出す。
/usr/lib64/sa/sadc -C Backup_Start /tmp/datafile
-
コメント Backup_Start をファイル /tmp/datafile に追加する。
バグ
sadc
コマンドが動作するためには、
/proc
ファイルシステムがマウントされていなければならない。
使用しているカーネルによっては、すべての統計が利用可能な訳ではない。
sadc
は少なくとも 2.6 カーネルを使っていることを仮定している。
ファイル
/var/log/sa/saDD
/var/log/sa/saYYYYMMDD
-
標準システム活性度日次データファイルとデフォルトの場所。
YYYY は現在の年、MM は月、DD は日である。
/proc
と
/sys
には、システム統計の様々なファイルが含まれる。
著者
Sebastien Godard (sysstat <at> orange.fr)
関連項目
sar(1),
sa1(8),
sa2(8),
sadf(1),
sysstat(5)
https://github.com/sysstat/sysstat
http://pagesperso-orange.fr/sebastien.godard/
Index
- 名前
-
- 書式
-
- 説明
-
- オプション
-
- 環境変数
-
- 例
-
- バグ
-
- ファイル
-
- 著者
-
- 関連項目
-
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Time: 03:32:54 GMT, March 20, 2020