LSCPU

Section: User Commands (1)
Updated: March 2019
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名前

lscpu - CPU アーキテクチャの情報を表示する。  

書式

lscpu [options]  

説明

lscpu は CPU アーキテクチャ情報を sysfs, /proc/cpuinfo と 利用可能なアーキテクチャ固有のライブラリ (例えば、Powerpc の librtas) から収集する。 コマンドの出力は、解析しやすいように最適化したり、 人が読みやすいように最適化できる。 この情報には、例えば、CPU、スレッド、コア、ソケット、 Non-Uniform Memory Access (NUMA) ノードの数などが含まれる。 また、CPU のキャッシュ、キャッシュ共有、ファミリー、モデル、 bogoMIPS、バイト順序、ステッピングなどの情報も含まれる。

仮想化環境では、表示される CPU アーキテクチャ情報は、 ゲスト OS の設定を反映しており、物理 (ホスト) システムとは特に異なる。 物理トポロジー情報の取得をサポートしているアーキテクチャでは、 lscpu はホストシステム上の物理ソケット、チップ、コアの数も表示する。

出力テーブルに影響するオプションには、list 引き数がある。 コマンド出力をカスタマイズするためには、この引き数を使うこと。 カンマ区切りのカラムラベルを指定すると、出力テーブルは指定されたカラム のみに限定され、指定された順番に表示される。 有効なカラムラベルのリストは、カラム を参照すること。 カラムラベルは大文字小文字を無視する。

全てのアーキテクチャで、全てのカラムがサポートされているわけではない。 サポートされていないカラムが指定された場合、lscpu はカラム名を表示するが、 データは提供しない。

端末上でのデフォルトの出力形式は、より読みやすいように最適化されている。 端末以外 (例えば、パイプ) での出力は、この最適化の影響を受けず、 常に "Field: data\n" 形式である。  

カラム

トポロジー要素 (コア、ソケットなど) は、0 で始まる連続した一意の ID を使う。 しかし、CPU の論理番号はカーネルに従い、連続した番号である保証はない。
CPU
Linux カーネルが使う CPU の論理 CPU 数。
CORE
論理コア数。コアは複数の CPU を持つ。
SOCKET
論理ソケット数。ソケットは複数のコアを持つ。
BOOK
論理ブック数。ブックは複数のソケットを持つ。
DRAWER
論理ドロワー数。ドロワーは複数のブックを持つ。
NODE
論理 NUMA ノード数。ノードは複数のドロワーを持つ。
CACHE
キャッシュがどのように CPU で共有されているかの情報。
ADDRESS
CPU の物理アドレス。
ONLINE
この指標は、Linux インスタンスが CPU を現在使用しているかを表す。
CONFIGURED
この指標は、Linux インスタンスが稼働する仮想ハードウェアに、 ハイパーバイザーが CPU を割り当てたかを表す。 設定された CPU は、Linux インスタンスによってオンラインにできる。 このカラムには、ハードウェアシステムとハイパーバイザーが 動的 CPU リソース割り当てをサポートしている場合にのみ、データが含まれる。
POLARIZATION
このカラムには、CPU の分配モード (分極化: polarization) を切り替えられる ハイパーバイザーを持つ仮想ハードウェア上で実行される Linux インスタンスのデータが含まれる。 分極化は以下のいずれかである:
horizontal
負荷を利用可能な全ての CPU に分散する。
vertical
負荷を特定の CPU に集中させる。

垂直分極化 (vertical polarization) では、 集中の度合いが high, medium, low でカラムに表示される。 ハードウェアシステムとハイパーバイザーが CPU の分極化をサポートしている場合にのみ、 このカラムにはデータが含まれる。

MAXMHZ
CPU の最大 MHz の値。 これは lscpu をハードウェアの明細情報の収集ツールとして使う場合に有用である。 この MHz の値は、動的であり、現在のリソースの必要性に応じて CPU の調整装置で変更される。
MINMHZ
CPU の最小 MHz の値。
 

オプション

-a, --all
オンラインとオフラインの CPU の情報を出力に含める (-e のデフォルト)。 このオプションは、オプション -e または -p とのみ一緒に指定できる。
-B, --bytes
人が読みやすい形式ではなく、バイト単位でサイズを表示する。
-b, --online
出力をオンラインの CPU に限定する (-p のデフォルト)。 このオプションは、オプション -e または -p とのみ一緒に指定できる。
-C, --caches[=list]
CPU キャッシュの詳細を表示する。 利用可能な情報の詳細は、--help の出力を参照すること。

list 引き数が省略された場合、データが利用可能な全てのカラムが、 コマンド出力に含まれる。

list 引き数を指定する場合、オプションの文字列とイコール (=) を指定する。 list には、ブランクまたは他の空白文字を含んではならない。 例: '-C=NAME,ONE-SIZE' または '--caches=NAME,ONE-SIZE'。

-c, --offline
出力をオフラインの CPU に限定する。 このオプションは、オプション -e または -p とのみ一緒に指定できる。
-e, --extended[=list]
CPU 情報を人が読みやすい形式で表示する。

list 引き数が省略された場合、データが取得可能な全てのカラムが、 コマンド出力に含まれる。

list 引き数を指定する場合、オプションの文字列とイコール (=) を指定する。 list には、ブランクまたは他の空白文字を含んではならない。 例: '-e=cpu,node' または '--extended=cpu,node'。

-h, --help
ヘルプを表示して、終了する。
-J, --json
デフォルトのサマリと拡張出力 (--extended を参照) について、 JSON 出力形式を使う。
-p, --parse[=list]
コマンド出力を解析しやすいように最適化する。

list 引き数が省略された場合、コマンド出力は以前の lscpu バージョンと 互換性がある。 この互換形式では、CPU キャッシュカラムを区切るのに、2 つのカンマが使われる。 CPU キャッシュが確認できない場合、キャッシュカラムは省略される。
list 引き数が使われた場合、キャッシュカラムはコロン (:) で区切られる。

list 引き数を指定する場合、オプションの文字列とイコール (=) を指定する。 list には、ブランクまたは他の空白文字を含んではならない。 例: '-p=cpu,node' または '--parse=cpu,node'。

-s, --sysroot directory
lscpu コマンドが発行された Linux インスタンス以外の、 インスタンスの CPU データを収集する。 指定された directory は、調査する Linux インスタンスのシステムルートである。
-x, --hex
CPU セットに対して 16 進数のマスクを使う (例えば "ff")。 デフォルトは、リスト形式のセットを表示する (例えば 0,1)。 バージョン 2.30 以前では、マスクはプレフィックス 0x を付けて表示されていた点に注意すること。
-y, --physical
トポロジー要素 (コア、ソケットなど) の全てのカラムに対して、 論理 ID ではなく、物理 ID を表示する。 論理 ID は lscpu によって割り当てられたものであり、 物理 ID はカーネルによって提供されるプラットフォーム固有の値である。 物理 ID は一意である必要はなく、順番に割り当てられていない可能性がある。 カーネルがトポロジー要素の物理 ID を取得できない場合、 lscpu はダッシュ (-) 文字を表示する。

CPU の論理番号は、このオプションに影響されない。

-V, --version
バージョン情報を表示して、終了する。
--output-all
全ての利用可能なカラムを出力する。 このオプションは、 --extended, --parse, --caches のいずれかと組み合わせなければならない。
 

バグ

CPU のファミリー、モデルなどの概要は、常に最初の CPU にのみ基づいている。

Xen Dom0 では時折、カーネルが間違ったデータを報告することがある。

仮想ハードウェアでは、ソケットあたりのコア数などが正しくない場合がある。  

著者

Cai Qian <qcai@redhat.com>
Karel Zak <kzak@redhat.com>
Heiko Carstens <heiko.carstens@de.ibm.com>
 

関連項目

chcpu(8)  

入手方法

lscpu コマンドは util-linux パッケージの一部であり、 https://www.kernel.org/pub/linux/utils/util-linux/ から入手できる。


 

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関連項目
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Time: 17:37:49 GMT, April 10, 2020