HEXDUMP

Section: User Commands (1)
Updated: April 2013
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名前

hexdump - ファイルの内容を 16 進, 10 進, 8 進, ASCII で表示する  

書式

hexdump [options] file...  

説明

hexdump ユーティリティは、指定したファイルを ユーザーが指定したフォーマットで表示するフィルタである。 ファイルが指定されていない場合は、標準入力を読み込んでフォーマットする。  

オプション

以下の lengthoffset 引き数の後ろに倍数の拡張子 KiB (=1024), MiB (=1024*1024), GiB, TiB, PiB, EiB, ZiB, YiB を 付けることができる ("iB" はオプションであり、つまり "K" は "KiB" と同じ意味である)。 また、拡張子 KB (=1000), MB (=1000*1000), GB, TB, PB, EB, ZB, YB を付けることもできる。
-b, --one-byte-octal
1 バイト単位の 8 進数表示。 入力オフセットを 16 進数で表示し、 その後に、入力データ 1 バイトずつを 0 で字詰めした 3 桁の 8 進数で表現し、 それを 1 行当たり 16 個、空白で区切って表示する。
-c, --one-byte-char
1 バイト単位のキャラクタ表示。 入力オフセットを 16 進数で表示し、 その後に、入力データのキャラクタを 空白で字詰めした 3 桁 (の ASCII 文字) で表現し、 それを 1 行当たり 16 個、空白で区切って表示する。
-C, --canonical
標準的な 16進数 + ASCII での表示。 入力オフセットを 16 進数で表示し、 その後に、入力データのキャラクタを 2 桁の 16 進数で表現し、 それを 1 行当たり 16 個、空白で区切って表示する。 その後に、 '|' で囲まれた中に同じ 16 バイトを %_p フォーマットで表示する。
-d, --two-bytes-decimal
2 バイト単位の 10 進数表示。 入力オフセットを 16 進数で表示し、 その後に、入力データ 2 バイト単位を 0 で字詰めした 5 桁の符号なし 10 進数で表現し、 それを 1 行当たり 8 個、空白で区切って表示する。
-e, --format format_string
データを表示するために使われるフォーマット文字列を指定する。
-f, --format-file file
1 個以上のフォーマット文字列 (改行で区切る) の書かれたファイルを指定する。 空行、または空白を除いた最初の文字がハッシュマーク (#) である行は無視される。
-L, --color[=when]
出力でのカラー設定を行う。 オプションの引き数 when は、 auto, never, always のいずれかである。 when 引き数を省略した場合、デフォルトは auto である。 カラー表示を無効化することもできる。 現在の組み込みのデフォルトは --help の出力を参照すること。 以下の「カラー表示」サブセクションと「カラー表示」セクションを 参照すること。
-n, --length length
入力の length バイト分だけを処理する。
-o, --two-bytes-octal
2 バイト単位の 8 進数表示。 入力オフセットを 16 進数で表示し、 その後に、入力 2 バイト単位を 0 で字詰めした 6 桁の 8 進数で表現し、 それを 1 行当たり 8 個、空白で区切って表示する。
-s, --skip offset
入力の先頭から offset バイトを読み飛ばす。
-v, --no-squeezing
-v オプションを指定すると、 hexdump に対して全ての入力データを表示させる。 -v オプションを指定しない場合、 直前の出力行と同じ内容の行 (ただし、入力オフセットは除く) は、 何行であっても、 1 個のアスタリスクが書かれた行で置き換えられる。
-x, --two-bytes-hex
2 バイト単位の 16 進数表示。 入力オフセットが 16 進数で表示し、 その後に、入力 2 バイト単位を 0 で字詰めした 4 桁の 16 進数で表現し、 それを 1 行当たり 8 個、空白で区切って表示する。
-V, --version
バージョン情報を表示して、終了する。
-h, --help
ヘルプを表示して、終了する。

各入力ファイルに対して、 hexdump は、入力ファイルが指定された順番で、 -e-f オプションで指定されたフォーマット文字列に基づいて変換しながら 続けて標準出力に書き出していく。  

フォーマット

フォーマット文字列は、空白で区切られた任意の個数の フォーマット単位を含んでいる。 フォーマット単位は最大 3 個の要素、つまり、 繰り返し回数・バイト数・フォーマットを含んでいる。

繰り返し回数は、オプションとして指定される正の整数である。 デフォルトは 1 である。 各フォーマットは繰り返し回数だけ適用される。

バイト数は、オプションとして指定される正の整数である。 これが指定された場合、 1 つのフォーマットで処理されるバイト数を示す。

繰り返し回数とバイト数 (の両方、もしくはどちらか一方) が指定された場合、 どちらの数字かを区別するために、 繰り返し回数の後とバイト数の前にスラッシュを 1 個置かなければならない。 スラッシュの前後の空白は無視される。

フォーマットは必須で、ダブルクォートマーク (" ") で囲まなければならない。 このフォーマットは、fprintf 形式のフォーマット文字列 fprintf(3), を参照) として解釈されるが、 以下のような例外がある:

1.
フィールドの幅や精度としてアスタリスク (*) を使えない。
2.
個々の変換文字 s について、バイト数やフィールド精度が必須である (精度が指定されていない場合に全ての文字列を表示する fprintf(3) のデフォルトとは異なる)。
3.
変換文字 h, l, n, p, q がサポートされていない。
4.
C 言語の標準規格で記述されている 1 文字のエスケープシーケンスがサポートされている:

NULL
\0
<アラート文字> \a
<バックスペース> \b
<フォームフィード> \f
<改行> \n
<復帰> \r
<タブ> \t
<垂直タブ> \v

 

変換文字列

hexdump ユーティリティは、他にも以下の変換文字列をサポートする:
_a[dox]
次に表示されるバイトのオフセット (複数の入力ファイルで通算した値) を表示する。 文字 d, o, x を後ろに付加すると、表示の際の基数がそれぞれ 10, 8, 16 進数に指定される。
_A[dox]
変換文字列 _a とほぼ同じ。 ただし、この変換は全ての入力データが処理された後で 1 回だけ実行される。
_c
デフォルト文字セットの文字で出力する。 表示不能な文字は、0 で字詰めした 3 桁の 8 進数で表示される。 ただし、標準エスケープ表記で表現される文字 (上記を参照) は、 その 2 文字の文字列で表示される。
_p
デフォルト文字セットの文字で出力する。 表示不能な文字は、1 個の '.' として表示される。
_u
US ASCII 文字で出力する。 ただし、制御文字は以下のような小文字の名前を使って表示される。 16 進数で 0xff より大きい文字は、 16 進数の文字列として表示される。
000 nul001 soh002 stx003 etx004 eot005 enq
006 ack007 bel008 bs009 ht00A lf00B vt
00C ff00D cr00E so00F si010 dle011 dc1
012 dc2013 dc3014 dc4015 nak016 syn017 etb
018 can019 em01A sub01B esc01C fs01D gs
01E rs01F us0FF del
 

カラー表示

フォーマット指定の最後にカラー指定をすることで、 hexdump は対応する文字列をハイライトすることができる。 条件が存在する場合、ハイライトする前に評価される。

_L[color_unit_1,:color_unit_2,:...,:color_unit_n]

カラー指定の単位の完全な書式は以下のとおりである:

[!]COLOR:[:VALUE]:[@OFFSET_START[-END]]

!
条件を否定する。 値/:文字列とオフセットの両方が指定されている場合にのみ、 否定が意味を持つ点に注意してほしい。 この場合、そのオフセットにおいて、対応する出力文字列が、 指定された値/:文字列でない場合にのみ、ハイライトされる。
COLOR
シェルで使われる 8 色のうちの 1 つ。
VALUE
指定した 16 進数、8 進数、文字列の値にマッチさせる。 hexdump は色指定単位のなかでは、通常の C 言語のエスケープシーケンスを 解釈しない点に注意してほしい。
OFFSET
マッチするかをチェックするオフセットまたはオフセットの範囲。 OFFSET_START だけを指定すると、END オフセットは同じ値とされる点に 注意してほしい。
 

カウンター

変換文字列で使われるデフォルトのバイト数とサポートされるバイト数は、 以下の通りである。
%_c, %_p, %_u, %c
1 バイトのみ。
%d, %i, %o, %u, %X, %x
4 バイトがデフォルト。1, 2, 4 バイトがサポートされている。
%E, %e, %f, %G, %g
8 バイトがデフォルト。4 バイトがサポートされている。

各フォーマット文字列によって処理されるデータの量は、 各フォーマット単位で必要とされるデータの合計である。 この合計は (繰り返し回数)×(バイト数) である。 また、バイト数が指定されていない場合は、 (繰り返し回数)×(フォーマットが必要としているバイト数) である。

入力はブロックごとに操作される。 ブロックは、フォーマット文字列で指定される データの塊のうちで最大のもの、と定義される。 入力ブロックのデータより少ないバイト数しか処理していない フォーマット文字列で、その中の最後のフォーマット単位で数バイトを処理し、 かつ繰り返し回数が指定されていない場合、 入力ブロック全体が処理されるか、 フォーマット文字列に合致するデータがブロックになくなるまで、 繰り返し回数を増加させる。

ユーザーの指定、または hexdump が上で説明したように繰り返し回数を変更した結果、 繰り返し回数が 2 回以上になった場合、 最後の繰り返しにおける末尾の空白は出力されない。

バイト数を複数の変換文字と共に指定すると、 1 つを除いた全ての変換文字が _a または _A である場合以外は、エラーになる。

-n オプションで指定したバイト数分、またはファイル終端に達したときに、 入力データがフォーマット文字列の一部分にしか満たさない場合、 有効なデータを全て表示するために、入力ブロックには適切な数の 0 が補われる (すなわち、データの終端にまたがっているフォーマット単位は、 何個かの 0 のバイトを表示する)。

このようなフォーマット文字列によるさらなる出力は、 等数の空白で置き換えられる。 等数の空白とは、元々の変換文字とフィールド幅と精度は同じで、 変換フラグ文字 '+', ' ', '#' を取り除いた s 変換文字が NULL 文字列を参照した場合に出力される数の空白である。

フォーマット文字列が指定されない場合、 デフォルトの表示は -x の出力フォーマットと同様である。 (-x オプションはデフォルト出力より出力単位の間のスペースが大きい)。  

返り値

hexdump は成功すると 0 を返して終了する。 エラーが起こった場合は、1 以上を返して終了する。  

入力を perusal (詳しく閲覧する) フォーマットで表示する:
   "%06.6_ao "  12/1 "%3_u "
   "\t\t" "%_p "
   "\n"

-x オプションを実装する:
   "%07.7_Ax\n"
   "%07.7_ax  " 8/2 "%04x " "\n"

MBR ブートシグネチャの例: アドレスをシアン、バイトオフセット
510 と 511 が値 0xAA55 の場合は緑、その他の場合は赤でハイライトする。
   "%07.7_Ax_L[cyan]\n"
   "%07.7_ax_L[cyan]  " 8/2 "   %04x_L[green:0xAA55@510-511,!red:0xAA55@510-511] " "\n"
 

カラー表示

空ファイル /etc/terminal-colors.d/hexdump.disable を置くことで、 暗黙のカラー表示を無効化できる。

カラー設定の詳細は terminal-colors.d(5) を参照すること。  

準拠

hexdump ユーティリティは IEEE Std 1003.2 ("POSIX.2") に適合しているはずである。  

入手方法

hexdump コマンドは、util-linux パッケージの一部であり、 Linux Kernel Archive から入手できる。  

翻訳者謝辞

この man ページの翻訳にあたり、 FreeBSD jpman project <http://www.jp.freebsd.org/man-jp/> による翻訳を参考にさせていただいた。


 

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Time: 12:49:37 GMT, August 02, 2019