EJECT

Section: User Commands (1)
Updated: April 2012
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名前

eject - リムーバブルメディアをイジェクトする  

書式

eject [options] device|mountpoint  

説明

eject を用いると、リムーバブルメディア (CD-ROM、フロッピーディスク、テープ、 JAZ、ZIP、USB ディスクなど) をソフトウェア制御によってイジェクトできる。 また eject は、連装 CD-ROM チェンジャを制御したり、 デバイスの自動イジェクト機能を制御したり、CD-ROM ドライブのディスクトレイを 閉じることもできる (製品によってはできないこともある)。

引き数 device または mountpoint に対応するデバイスがイジェクトされる。 名前が指定されない場合、デフォルトでは /dev/cdrom が対象となる。 デバイスは、デバイス名 (例えば 'sda')、デバイスパス (例えば '/dev/sda')、 UUID=uuid、 LABEL=label タグのいずれかで指定できる。

対象デバイスが CD-ROM、SCSI デバイス、リムーバブルフロッピー、 テープであるかによって、4 つの異なるイジェクト方法がある。 デフォルトでは、eject は 4 つの方法全てを成功するまで順に試行する。

デバイスパーティションが指定された場合、ディスクデバイス全体が使われる。 対象デバイス、またはデバイスパーティションがマウントされている場合、 イジェクト前にアンマウントされる。  

オプション

-a, --auto on|off
このオプションは、いくつかのデバイスでサポートされている 自動イジェクトモードを制御する。 自動イジェクトモードを有効にすると、対象デバイスが クローズされたときに、そのドライブは自動的にイジェクトする。
-c, --changerslot slot
このオプションにより、ATAPI/IDE CD-ROM チェンジャの CD スロットを選択できる。 スロット切替要求が機能するためには、 CD-ROM ドライブが動作中 (データ CD をマウントしていたり、 音楽 CD を演奏していたり) であってはならない。 チェンジャの最初のスロットが、 1 ではなく 0 で参照される点についても注意してほしい。
-d, --default
デフォルトのデバイス名を表示する。
-F, --force
デバイスタイプをチェックせず、強制的にイジェクトする。
-f, --floppy
このオプションは、リムーバブルフロッピーディスクイジェクトコマンド を用いて対象ドライブをイジェクトするよう指定する。
-h, --help
ヘルプを表示して、終了する。
-i, --manualeject on|off
このオプションは、ハードウェアイジェクトボタンのロックを制御する。 有効にすると、ボタンが押されてもドライブがイジェクトしない。 これは、ラップトップ PC をバックやケースに入れて運んでいるときに、 意図せずボタンが押されてもイジェクトしてほしくない場合に役に立つ。
-M, --no-partitions-unmount
このオプションが指定されると、eject はパーティション区切りデバイスの 他のパーティションをアンマウントしない。 他のパーティションがまだマウントされている場合、このプログラムは メディアをイジェクトしようとしない。 このプログラムは、デバイスまたはマウントポイントが コマンドラインで指定された場合にのみ、アンマウントを行う。
-m, --no-unmount
このオプションは eject にアンマウントを全く行わせない。
-n, --noop
このオプションは選択されたデバイスを表示するが、何の操作も行わない。
-p, --proc
このオプションを指定すると、 /etc/mtab ではなく /proc/mounts を使うことができる。 このオプションは umount(8) に -n オプションを渡す。
-q, --tape
このオプションは、テープドライブオフラインコマンドを用いて対象 ドライブをイジェクトするよう指定する。
-r, --cdrom
このオプションは、CDROM イジェクトコマンドを用いて対象ドライブを イジェクトするよう指定する。
-s, --scsi
このオプションは、SCSI コマンドを用いて対象ドライブをイジェクト するよう指定する。
-T, --traytoggle
このオプションは、CD-ROM トレイがオープンしている場合には、 クローズコマンドを与える。 また CD-ROM トレイがクローズしている場合には、イジェクトコマンドを与える。 このオプションは上記の CD-ROM トレイのクローズコマンドを使うので、 全てのデバイスでこのコマンドがサポートされている訳ではない。
-t, --trayclose
このオプションは、ドライブに CD-ROM トレイのクローズコマンドを与える。 全てのデバイスがこのコマンドをサポートするわけではない。
-V, --version
バージョン情報を表示して、終了する。
-v, --verbose
詳細表示モードで実行する; eject が実行していることについて、より多くの情報が表示される。
-X, --listspeed
このオプションは CD-ROM ドライブで利用可能なスピードを調べる。 出力はスピードのリストで、-x オプションの引き数として指定可能である。 このオプションは Linux 2.6.13 以降でのみ動作し、 それ以前のバージョンでは単に最大スピードだけが返される。 スピードを正確に返さないドライブもあり、そのようなドライブでは、 このオプションが動作しない点に注意すること。
-x, --cdspeed speed
このオプションはドライブに CD-ROM スピード選択コマンドを与える。 speed 引き数は希望するスピード (たとえば 8 倍速の場合は 8) を表す数字である。 最大データレートにする場合は 0 にする。 全てのデバイスがこのコマンドをサポートしているわけではないので、 これをサポートしているデバイスにのみ指定できる。 メディアを交換するたびに、このオプションはクリアされる。 このオプションは単独で使用するか、-t-c オプションとともに使用する。
 

返り値

操作が成功すると 0 を返す。 操作が失敗、またはコマンドの構文が間違っていると 1 を返す。  

注意

eject は、4 つのイジェクト方法のうち 1 つ以上をサポートするデバイスに対して のみ有効である。 これには、ほとんどの CD-ROM ドライブ (IDE、SCSI、独自規格)、 何種類かの SCSI テープドライブ、JAZ ドライブ、 ZIP ドライブ (パラレルポート版、SCSI 版、IDE 版)、 LS120 リムーバブルフロッピーが含まれる。 Sun SPARC と Apple Macintosh のフロッピードライブについても、 ユーザーからの成功報告がある。 eject が動作しないのは、ほとんどの場合、 そのデバイスのカーネルドライバの制限によるものであり、 eject プログラム自体の制限ではない。

-r, -s, -f, -q オプションで、 どのイジェクト方法を用いるかを制御できる。 複数のイジェクト方法を指定することができる。 これらのオプションが全く指定されないと、eject は 4 つの方法全てを試行する (これはほとんどの場合に上手く動作する)。

eject は、対象デバイスがマウントされているかどうかを常に判断できるわけではない (例えば、そのデバイスに複数の名前がある場合)。 デバイス名がシンボリックリンクである場合、 eject はリンクを辿り、リンク先のデバイスを使用する。

対象デバイスが複数のパーティションを持ち得ると判断した場合、 eject は、そのデバイスのマウントされたパーティションを イジェクト前に全てアンマウントしようとする (--no-partitions-unmount を参照)。 アンマウントに失敗すると、eject はメディアのイジェクトを中止する。

音楽 CD をイジェクトすることができる。 CD-ROM ドライブによっては、 ドライブが空である場合にトレイを開くことを拒否するものもある。 トレイクローズコマンドをサポートしないデバイスもある。

自動イジェクト機能が有効になると、 そのドライブは eject を実行すると常にイジェクトされるようになる。 全ての Linux カーネル CD-ROM ドライバが、 自動イジェクトモードをサポートするわけではない。 自動イジェクトモードの状態を確認する方法は無い。

デバイスファイルへのアクセスには適切な権限が必要である。 デバイスによっては (例えば SCSI デバイス)、eject を root で実行しなければならなかったりする。  

著者

Jeff Tranter - オリジナルの著者。
Karel Zak と Michal Luscon - util-linux バージョン。  

関連項目

findmnt(8), lsblk(8), mount(8), umount(8)  

入手方法

eject コマンドは util-linux パッケージの一部であり、 Linux Kernel Archive から入手できる。


 

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