CHRT

Section: User Commands (1)
Updated: January 2016
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名前

chrt - プロセスのリアルタイム属性を操作する  

書式

chrt [options] priority command [argument...]
chrt [options] -p [prioritypid  

説明

chrt は既存の pid のリアルタイムスケジューリング属性の設定または取得を行い、 指定した属性で command を実行する。

 

ポリシー

-o, --other
スケジューリングポリシーを SCHED_OTHER にする。 これがデフォルトの Linux のスケジューリングポリシーである。
-f, --fifo
スケジューリングポリシーを SCHED_FIFO にする。
-r, --rr
スケジューリングポリシーを SCHED_RR にする。 ポリシーが定義されていない場合、 SCHED_RR がデフォルトとして使われる。
-b, --batch
スケジューリングポリシーを SCHED_BATCH (Linux 固有で、2.6.16 以降でサポートされる) にする。 priority 引き数は 0 に設定される必要がある。
-i, --idle
スケジューリングポリシーを SCHED_IDLE (Linux 固有で、2.6.23 以降でサポートされる) にする。 priority 引き数は 0 に設定される必要がある。
-d--deadline
スケジューリングポリシーを SCHED_DEADLINE (Linux 固有で、2.6.23 以降でサポートされる) にする。 priority 引き数は 0 に設定される必要がある。 --sched-runtime, --sched-deadline, --sched-period も参照すること。 カーネルに必要とされるオプションとの関係は、 runtime <= deadline <= period である。 chrt は、--sched-deadline が指定されない場合、 perioddeadline にコピーする。 --sched-runtime が指定されない場合、 deadlineruntime にコピーする。 これは、少なくとも --sched-period が指定されなければならないことを意味する。 より詳細は sched(7) を参照すること。

 

スケジューリングオプション

-T, --sched-runtime nanoseconds
SCHED_DEADLINE ポリシーの runtime パラメータを指定する (Linux 固有)。
-P, --sched-period nanoseconds
SCHED_DEADLINE ポリシーの period パラメータを指定する (Linux 固有)。
-D, --sched-deadline nanoseconds
SCHED_DEADLINE ポリシーの deadline パラメータを指定する (Linux 固有)。
-R, --reset-on-fork
SCHED_FIFO または SCHED_RR スケジューリングポリシーに、 SCHED_RESET_ON_FORK フラグを追加する (Linux 固有で、2.6.31 以降でサポートされる)。

 

オプション

-a--all-tasks
指定された PID の全てのタスク (スレッド) のスケジューリング属性を、 設定または取得する。
-m--max
有効な priority の最小値と最大値を表示して、終了する。
-p--pid
既存の PID に対して操作を行い、新しいタスクを起動しない。
-v--verbose
ステータス情報を表示する。
-V--version
バージョン情報を表示して、終了する。
-h--help
ヘルプを表示して、終了する。
 

使用法

デフォルトの挙動は、新しいコマンドを実行することである: chrt priority command [arguments]
既存のタスクのリアルタイム属性を取得することもできる: chrt -p pid
または、リアルタイム属性の設定を行う: chrt -r -p priority pid
 

権限

ユーザーは、プロセスのスケジューリング属性を変更するために、 CAP_SYS_NICE 権限を持っている必要がある。 どのようなユーザーでも、スケジューリング情報を取得できる。

 

注意

SCHED_FIFO, SCHED_OTHER, SCHED_RR のみが、POSIX 1003.1b プロセススケジューリングの一部である。 システムによっては、他のスケジューリング属性は無視されるかもしれない。

Linux のデフォルトのスケジューリングポリシーは SCHED_OTHER である。  

関連項目

nice(1), renice(1), taskset(1), sched(7)

Linux のスケジューリングの概要説明は、 sched_setscheduler(2) を参照すること。  

著者

Robert Love
Karel Zak  

入手方法

chrt コマンドは util-linux パッケージの一部であり、 https://www.kernel.org/pub/linux/utils/util-linux/ から入手できる。


 

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名前
書式
説明
ポリシー
スケジューリングオプション
オプション
使用法
権限
注意
関連項目
著者
入手方法

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Time: 15:51:18 GMT, April 04, 2020