CAL

Section: User Commands (1)
Updated: January 2018
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名前

cal - カレンダーを表示する  

書式

cal [options] [[[day] month] year]
cal [options] [timestamp|monthname]  

説明

cal は簡単なカレンダーを表示する。 引き数を指定しないと、今月のカレンダーが表示される。

month は数値 (1-12) で指定することも、 現在のロケールの月名または省略された月名でも指摘できる。

グレゴリオ歴とユリウス歴の 2 つの異なるカレンダー体系が使われる。 ほぼ同様な体系であるが、グレゴリオ歴の方が閏年の頻度を調整が 少なくなっている。 この機能は分点 (equinoxes) のような太陽のイベントとの同期を向上させている。 グレゴリオ歴への切り替えは 1582 年に始まったが、適用は 1923 年まで続いた。 デフォルトでは、 cal は適用日として 1752 年 9 月 3 日を使う。 この日以降グレゴリオ歴体系で表示され、 この日より前はユリウス歴体系を使う。 グレゴリオ歴の適用に当たって太陽のイベントと同期させるために、 11 日間が削除された。 そのため、1752 年 9 月はユリウス歴とグレゴリオ歴が混ざっていて、 2 日の後が 14 日である (3 日から 13 日は存在しない)。

オプションとして先発 (proleptic) グレゴリオ歴、またはユリウス歴の いずれかを使うことができる。 下記の --reform を参照。  

オプション

-1, --one
1 つの月だけを出力する (これがデフォルトである)。
-3, --three
当日をまたぐ 3 ヶ月分を表示する。
-n , --months number
当日を含む月から始まる number ヶ月分を表示する。
-S, --span
当日をまたぐ月分を表示する。
-s, --sunday
日曜日を週の最初の曜日にする。
-m, --monday
月曜日を週の最初の曜日にする。
--iso
先発グレゴリオ歴のみを表示する。 下記の --reform を参照。
-j, --julian
すべてのカレンダーで年内日付を使う。 これは通算日 (ordinal days) とも呼ばれる。 通算日は 1 から 366 の範囲である。 このオプションを使うと、 --reform オプションで制御される グレゴリオ歴体系からユリウス歴体系への切り替えを行わない。

通算日を使ったグレゴリオ歴が、ユリウス歴と呼ばれることがある。 これは名前にユリウスを使う日付についての慣習で混乱を 起こすかもしれない。 (通算) ユリウス日付、ユリウス (歴) 日付、 (天文学的) ユリウス日付、(修正) ユリウス日付などがある。 POSIX 標準で通算日を julian と定義しているので、 このオプションは julian という名前にしている。 しかし、 cal はユリウス歴体系も使うことを注意してほしい。 上記の 「説明」 のセクションを参照。

--reform val
このオプションはグレゴリオ歴切り替えの適用日を設定する。 切り替え前はユリウス歴体系を使い、 切り替え後はグレゴリオ歴体系を使う。 引き数 val は以下のとおり。
1752 - 1752 年 9 月 3 日を切り替え日とする (デフォルト)。 これは大英帝国でグレゴリオ歴の切り替えが適用された日である。
gregorian - グレゴリオ歴のみを表示する。 これは cal が使用できる最小の年を、切り替え日以前に設定する 特別な代替物である。 つまり、すべてのカレンダー出力はグレゴリオ歴体系を使う。 これは、カレンダー体系の開始日以前では外挿値 (extrapolated value) を使うので、 先発グレゴリオ歴と呼ばれる。
isogregorian の別名。 情報交換における日付と時刻の表記に関する ISO 8601 規格では、 先発グレゴリオ歴を使う必要がある。
julian - ユリウス歴のみを表示する。 これは cal が使用できる最大の年を、切り替え日以降に設定する 特別な代替物である。 つまり、すべてのカレンダー出力でユリウス歴体系を使う。

上記の 「説明」 のセクションを参照。

-y, --year
今年 1 年のカレンダーを表示する。
-Y, --twelve
次の 12 ヶ月のカレンダーを表示する。
-w, --week[=number]
カレンダーに週番号を表示する (US または ISO-8601)。
--color[=when]
出力をカラー表示にする。 オプションの引き数 when は、 auto, never, always のいずれかである。 when 引き数が省略された場合、デフォルトは auto である。 カラー表示を無効化することもできる。 現在の組み込みのデフォルトは、 --help の出力を参照すること。 「カラー表示」のセクションも参照すること。
-V, --version
バージョン情報を表示して、終了する。
-h, --help
ヘルプを表示して、終了する。
 

引き数

1 つの数字のみの引き数 (例 'cal 2020') 表示したい を指定する。 年を表す数字は全桁指定する必要がある。 cal 89 と指定しても 1989 のカレンダーは表示されない。
1 つの文字列の引き数 (例 'cal tomorrow' または 'cal August') 現在のロケールに基づいて、タイムスタンプ または 月名 (または月の省略名) を指定する。

タイムスタンプを解析する際に、特別な別名も指定することができる。 "now" は現在時刻を指定するのに使われる。 "today", "yesterday", "tomorrow" は、 それぞれ、当日、前日、明日を指定する。

相対日付指定もできる。 この場合、 "+" は現在時刻に指定した時間を足す。 同様に、"-" は現在時刻から指定した時間を引く。 例えば、 '+2days' のように指定できる。 時間の前に "+" または "-" を置く代わりに、 空白と "left" または "ago" を後ろに付けることもできる (例 '1 week ago')。

2 つの引き数 (例 'cal 11 2020') (1 - 12) と を指定する。
3 つの引き数 (例 'cal 25 11 2020')

(1-31)、 を指定する。 カレンダーを端末上で表示した場合、当日はハイライトされる。 引き数を指定しない場合、当月のカレンダーが表示される。

 

注意

年は 1 月 1 日から始まる。 週の初めの日は、ロケールまたは --sunday と --monday オプションで決まる。

週の番号付けは、週の初めの日の選択に依存する。 日曜を週の初めの日として、慣例的な北アメリカの番号付けを使っている場合、 1 月 1 日が週番号 1 となる。 月曜を週の初めの日として、ISO 8601 規格の番号付けを使っている場合、 最初の木曜日が週番号 1 となる。  

カラー表示

暗黙のカラー表示は、以下のようにして無効化できる。


touch /etc/terminal-colors.d/cal.disable

カラー設定の詳細は terminal-colors.d(5) を参照すること。  

バグ

デフォルトの cal 出力は 1752 年 9 月 3 日をグレゴリオ歴切り替え日とする。 1582 年 10 月の切り替えの開始を含む、他のロケールでの歴史的な切り替え日は 実装されていない。

ウンム・アルクアラー歴、太陽ヒジュラ歴、ゲエズ歴、 太陰太陽ヒンドゥー歴といった 他のカレンダーはサポートされていない。  

履歴

cal コマンドは Version 6 AT&T UNIX で登場した。  

入手方法

cal コマンドは、util-linux パッケージの一部であり、 https://www.kernel.org/pub/linux/utils/util-linux/ から入手できる。


 

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Time: 12:49:37 GMT, August 02, 2019