RTCWAKE
Section: System Administration (8)
Updated: June 2015
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名前
rtcwake - 指定されたウェイクアップ (wakeup) 時刻までシステムスリープ状態にする。
書式
rtcwake
[options]
[-d
device]
[-m
standby_mode]
{-s seconds|-t time_t}
説明
このプログラムは、システムスリープ状態にするのに使われ、指定した時刻に
自動的にウェイク (起動) される。
このプログラムは、システムスリープ状態にして、指定した時刻ちょうどに
スリープ状態を解除するための、クロスプラットフォームの Linux インタフェースとして使われる。
これは、ウェイクアップフラグの標準的なドライバーモデルをサポートする、
RTC フレームワークを使う。
これは通常、昔の apmsleep ユーティリティのように使われ、
ACPI S1 (スタンバイ) または S3 (RAM へのサスペンド) 状態から
ウェイクさせるのに使われる。
多くのプラットフォームでは BIOS, APM, ACPI を使わずに実装されている。
システムによっては、nvram-wakeup のように使われ、
ACPI S4 (ディスクへのサスペンド) 状態からウェイクさせるのに使われる。
全てのシステムに、このようなサスペンドモードに適した永続化メディアが
あるわけではない。
アラーム機能はハードウェアに依存する点に注意すること。
全ての RTC で将来 24 時間のアラームが設定できるわけではない。
サスペンド設定はアクティブなハードウェアで割り込まれる可能性がある。
例えば、ワイヤレス入力デバイスは、リターンキーが押された後、
数秒間に渡ってイベントを送信し続ける。
rtcwake
は、この問題を避けて、システムスリープに入る前に端末への入力が
落ち着くのを待つ。
オプション
- -A, --adjfile file
-
調整用のファイルの別のパスを指定する。
- -a, --auto
-
hwclock(8)
が情報を格納する adjtime ファイルから
クロックモード (ハードウェアクロックが UTC またはローカル時刻のどちらに設定されているか) を
読み取る。
これがデフォルトである。
- --date timestamp
-
ウェイクアップ時刻を timestamp の値に設定する。
timestamp の形式は以下のいずれかである:
YYYYMMDDhhmmss |
|
YYYY-MM-DD hh:mm:ss |
|
YYYY-MM-DD hh:mm | (秒は 00 に設定される)
|
YYYY-MM-DD | (時刻は 00:00:00 に設定される)
|
hh:mm:ss | (日付は当日に設定される)
|
hh:mm | (日付は当日に設定され、秒は 00 に設定される)
|
tomorrow | (時刻は 00:00:00 に設定される)
|
+5min |
|
- -d, --device device
-
リアルタイムクロックとして、rtc0 の代わりに指定した device を使う。
このオプションはシステムに 2 つ以上の RTC がある場合にのみ利用価値がある。
ここには rtc1, rtc2, ... などを指定できる。
- -l, --local
-
adjtime ファイルの内容に関わらず、
ハードウェアクロックがローカル時刻に設定されていると仮定する。
- --list-modes
-
利用可能な --mode オプションの引き数をリスト表示する。
- -m, --mode mode
-
指定したスタンパイ状態にする。指定可能な mode は以下の通り:
-
- standby
-
ACPI の状態 S1。
この状態は最小限であるが、実際にパワーセーブができて、
稼働中のシステムに戻すのに非常に短い時間でできる。
これがデフォルトのモードである。
- freeze
-
プロセスが凍結されて、全てのデバイスがサスペンドされて、
全てのプロセッサがアイドルにされる。
この状態は、プラットフォーム固有のサポートが必要でない、
一般的な状態である。
しかし、システムはまだ実行状態であるため、RAM へのサスペンドよりパワーセーブができない。
(Linux 3.9 以降で利用可能である。)
- mem
-
ACPI の状態 S3 (RAM へのサスペンド)。
この状態では、システムの全てが低パワー状態にされるため、
特にパワーセーブができる。
メモリは例外であり、内容を保持するために、自己リフレッシュ
モードになる。
- disk
-
ACPI の状態 S4 (ディスクへのサスペンド)。
この状態はもっともパワーセーブできて、電源管理の低レベル
プラットフォームのサポートがなくても使用できる。
この状態は RAM へのサスペンドと同様の操作であるが、
最終ステップではメモリの内容がディスクに書き込まれる。
- off
-
ACPI の状態 S5 (パワーオフ)。
これは単に '/sbin/shutdown' を呼び出す。
ACPI で正式にサポートされてはいないが、通常は動作する。
- no
-
サスペンドせず、RTC ウェイクアップ時刻の設定のみを行う。
- on
-
サスペンドしないが、アラーム時刻が来るまで RTC デバイスを読み込む。
このモードはデバッグに役立つ。
- disable
-
前に設定したアラームを無効化する。
- show
-
アラーム情報を "alarm: off|on <time>" の形式で表示する。
時刻は ctime() の出力形式で、"alarm: on Tue Nov 16 04:48:45 2010" のようになる。
- -n, --dry-run
-
このオプションは、実際のアラーム設定、システムのサスペンド、
アラームの待機以外の全てを実行する。
- -s, --seconds seconds
-
ウェイクアップ時刻を現時点から seconds 秒後に設定する。
- -t, --time time_t
-
ウェイクアップ時刻を絶対時刻 time_t に設定する。
time_t は 1970-01-01, 00:00 UTC からの秒数である。
date(1)
ツールを使って、人が読みやすい時刻と time_t を変換できる。
- -u, --utc
-
adjtime ファイルの内容に関わらず、ハードウェアクロックが
UTC (Universal Time Coordinated) に設定されていると仮定する。
- -v, --verbose
-
詳細な表示を行う。
- -V, --version
-
バージョン情報を表示して、終了する。
- -h, --help
-
ヘルプを表示して、終了する。
注意
PC システムの中には、このドライバでアクセスされるカーネルコードのみを使う
mem などでは、現在のところスリープ状態から抜けられないものがある。
これらのシステムでは、フレームバッファを再度実行できるようにするには、
ユーザ空間のコードの助けが必要である。
ファイル
/etc/adjtime
履歴
このプログラムは、GIT commit 87ac84f42a7a580d0dd72ae31d6a5eb4bfe04c6d で
Linux 2.6 のカーネルコミットメッセージに現れるまでに、
LKML や他のメーリングリストに何回か投稿された。
著者
このプログラムは David Brownell <dbrownell@users.sourceforge.net> によって書かれ、
Bernhard Walle <bwalle@suse.de> によって改善された。
著作権
This is free software. You may redistribute copies of it under the terms
of the GNU General Public License <http://www.gnu.org/licenses/gpl.html>.
There is NO WARRANTY, to the extent permitted by law.
関連項目
hwclock(8),
date(1)
入手方法
rtcwake コマンドは util-linux パッケージの一部であり、
Linux Kernel Archive
から入手できる。
Index
- 名前
-
- 書式
-
- 説明
-
- オプション
-
- 注意
-
- ファイル
-
- 履歴
-
- 著者
-
- 著作権
-
- 関連項目
-
- 入手方法
-
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