LOSETUP

Section: System Administration (8)
Updated: November 2015
Index Return to Main Contents
 

名前

losetup - loop デバイスの設定と制御を行う  

書式

情報を取得する:

losetup [loopdev]

losetup -l [-a]

losetup -j file [-o offset]

loop デバイスを切断する:

losetup -d loopdev...

紐付けられた全ての loop デバイスを切断する:

losetup -D

loop デバイスを設定する:

losetup [-o offset] [--sizelimit size] [--sector-size size] [-Pr] [--show] -f|loopdev file

loop デバイスをリサイズする:

losetup -c loopdev  

説明

losetup は loop デバイスを通常のファイルやブロックデバイスと接続/切断したり、 loop デバイスへの問い合わせを行うために用いられる。 引き数として loop_device が与えられた場合に限り、対応する loop デバイスの状態が表示される。 オプションが指定されない場合、全ての loop デバイスが表示される。

古い出力フォーマット (つまり、losetup -a) の コンマ区切り文字列は廃れており、 --list 出力フォーマットが指示されている。

同じバッキングファイルで、より独立性の高い loop デバイスを作ることができる。 このセットアップは危険であり、データの喪失・破損・上書きを 引き起こす場合がある。 この問題を避けるには、セットアップ時に --nooverlap--find を使うこと。  

オプション

sizeoffset 引き数をバイトではなく、数値と倍数のサフィックス KiB (=1024), MiB (=1024*1024), さらに GiB, TiB, PiB, EiB, ZiB, YiB を続けて指定できる。 ("iB" はオプションであり、例えば "K" は "KiB" と同じ意味である)。 もしくはサフィックス KB (=1000), MB (=1000*1000), さらに GB, TB, PB, EB, ZB, YB を続けて指定できる。
-a, --all
全ての loop デバイスの状態を表示する。 非 root ユーザでは全ての情報にアクセスできる訳ではない点に注意すること。 --list を参照すること。 (--list を指定せずに表示される) 古いフォーマットは廃れている。
-d, --detach loopdev...
指定した loop デバイスを対応するファイルやデバイスから切断する。 Linux v3.7 カーネルから「遅延デバイス破棄」を使っている点に注意すること。 デバイスがシステムにアクティブに使用されている場合でも、 切断操作は最早 EBUSY エラーを返さなくなり、 自動クリア (autoclear) フラグでマークされ、後から破棄される。
-D, --detach-all
紐付けられた全ての loop デバイスを切断する。
-f, --find [file]
使用されていない最初の loop デバイスを見つける。 file 引き数が指定されている場合は、そのデバイスを loop デバイスとして使用する。 指定されていない場合は、loop デバイスの名前を表示する。
--show
-f オプションと file 引き数が指定されている場合、 紐付けられた loop デバイスの名前を表示する。
-L, --nooverlap
同じバッキングファイルが複数の loop デバイスで共有されている状況を避けるため、 loop デバイス間の衝突をチェックする。 ファイルが他のデバイスで既に使われている場合、 新しいデバイスを作るのではなく、そのデバイスを再利用する。 このオプションは --find と一緒に指定された場合にのみ意味を持つ。
-j, --associated file [-o offset]
指定された file に紐付けられた全ての loop デバイスの状態を表示する。
-o, --offset offset
データの開始地点を指定したファイルやデバイスの offset バイトに移動する。 offset は、上記の乗数のサフィックスを付けることができる。
--sizelimit size
データの終了地点を、データの開始地点から size バイトにする。 size は、上記の乗数のサフィックスを付けることができる。
-b, --sector-size size
loop デバイスの論理セクタサイズを指定したバイトにする (Linux 4.14 以降)。 このオプションは、新しい loop デバイスを作成するときにも、 既存の loop デバイスのセクタサイズを変更するときのスタンドアロンの コマンドにも使える。
-c, --set-capacity loopdev
指定された loop デバイスに紐付けられたファイルのサイズを、 loop ドライバに再読み込みさせる。
-P, --partscan
新しく作成された loop デバイスのパーティションテーブルを カーネルにスキャンさせる。 パーティションテーブルの解析は、セクタサイズに依存する点に 注意すること。 デフォルトのセクタサイズは 512 バイトである。 それ以外の値を使いたい場合は、オプション --sector-size--partscan とともに指定すること。
-r, --read-only
読み込みのみの loop デバイスを設定する。
--direct-io[=on|off]
バッキングファイルの直接 I/O を有効または無効にする。 オプションの引き数は on または off のいずれかである。 引き数が省略された場合、デフォルトは on である。
-v, --verbose
詳細なモード。
-l, --list
loop デバイス、または -a オプションが指定された場合、 指定された loop デバイス、または全てのデバイスの デフォルトの列が表示される。 デフォルトでは全てのデバイスの情報を表示する。 --output, --noheadings, --raw, --json を参照すること。
-O, --output column[,column]...
--list 出力で表示される列を指定する。 サポートされる全ての列のリストを取得するには、--help を使うこと。
--output-all
利用可能な全ての列を出力する。
-n, --noheadings
--list 出力フォーマットで、ヘッダを表示しない。
--raw
生の --list 出力フォーマットを使う。
-J, --json
--list 出力で JSON フォーマットを使う。
-V, --version
バージョン情報を表示して、終了する。
-h, --help
ヘルプを表示して、終了する。

 

暗号化

cryptoloop は既にサポートされておらず、dm-crypt が支持されている。 より詳細は cryptsetup(8) を参照すること。

 

返り値

losetup は成功すると 0 を返し、失敗すると 0 以外を返す。 losetup に loop デバイスの状態を表示させる場合は、 デバイスが設定されていなければ 1 を、 デバイスの状態を決定できなくするようなエラーが起った場合は 2 を返す。

 

ファイル

/dev/loop[0..N]
loop ブロックデバイス
/dev/loop-control
loop コントロールデバイス

 

以下の一連のコマンドは loop デバイスの使用例である。
# dd if=/dev/zero of=~/file.img bs=1024k count=10 # losetup --find --show ~/file.img /dev/loop0 # mkfs -t ext2 /dev/loop0 # mount /dev/loop0 /mnt # umount /dev/loop0 # losetup --detach /dev/loop0
 

環境変数

LOOPDEV_DEBUG=all
デバッグ出力を有効にする。
 

作者

Karel Zak <kzak@redhat.com> が Theodore Ts'o <tytso@athena.mit.edu> の オリジナルバージョンに基づいて書いた。  

入手方法

losetup コマンドは util-linux パッケージの一部であり、 https://www.kernel.org/pub/linux/utils/util-linux/ から入手できる。


 

Index

名前
書式
説明
オプション
暗号化
返り値
ファイル
環境変数
作者
入手方法

This document was created by man2html, using the manual pages.
Time: 17:05:43 GMT, March 22, 2020