MPSTAT

Section: Linux User's Manual (1)
Updated: MARCH 2018
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名前

mpstat - プロセッサ関連の統計をレポートする。  

書式

mpstat [ -A ] [ -n ] [ -u ] [ -V ] [ -I { keyword [,...] | ALL } ] [ -N { node_list | ALL } ] [ -o JSON ] [ -P { cpu_list | ALL } ] [ interval [ count ] ]  

説明

mpstat コマンドは利用可能なプロセッサの活性度を標準出力に書き出す。 プロセッサ 0 が最初である。 すべてのプロセッサの平均の活性度もレポートされる。 mpstat コマンドは SMP とそれ以上のマシンで利用可能で、後者の場合、 平均の活性度のみが表示される。 活性度が選択されていない場合、デフォルトは CPU 利用統計が表示される。

interval パラメータは各レポート間の秒数を指定する。 値が 0 の場合 (またはパラメータが指定されない場合)、 システムのスタートアップ (ブート) からのプロセッサ統計を表す。 count パラメータは interval パラメータが 0 に指定されていない場合、一緒に設定できる。 count の値で、 interval 秒間隔で何回レポートを作成するかを決める。 count パラメータなしで、 interval パラメータを指定すると、 mpstat は連続してレポートを生成する。

 

オプション

-A
このオプションは -n -u -I ALL -N ALL -P ALL を指定するのと同じである。
-I { keyword [,...] | ALL }
割り込みの統計をレポートする。

指定可能なキーワードは、 CPU, SCPU, SUM である。

CPU キーワードを指定すると、1 秒あたりの各 CPU (群) の割り込みを表示する。 割り込みは /proc/interrupts ファイルにリストされている。

SCPU キーワードを指定すると、1 秒あたりの各 CPU (群) のソフトウェア割り込みを表示する。 このオプションは、カーネル 2.6.31 以降でのみ動作する。 ソフトウェア割り込みは /proc/softirqs ファイルにリストされている。

SUM キーワードを指定すると、プロセッサごとの割り込みの合計をレポートする。 以下の値が表示される。

CPU

プロセッサ番号。 キーワード all は全てのプロセッサの平均が統計として計算される。

intr/s

1 秒あたりの CPU (群) ごとの割り込みの合計。

ALL キーワードは、上記のすべてのキーワードを指定したのと同じであり、 すべての割り込みの統計が表示される。

-N { node_list | ALL }
統計をレポートする NUMA ノードを指定する。 node_list はカンマ区切りの値または、値の範囲である (例 0,2,4-7,12-)。 ノード all は、すべてのノードの平均である点に注意すること。 ALL キーワードを指定すると、すべてのノードの統計をレポートする。
-n
NUMA ノードの位置に基づいて CPU 統計のサマリをレポートする。 以下の値が表示される。

NODE

ノード番号。 all キーワードを指定すると、すべてのノードの平均を統計としてレポートする。

その他のフィールドは、オプション -u (下記を参照) と同じである。

-o JSON
統計を JSON (Javascript Object Notation) 形式で表示する。 JSON 出力のフィールド順は定義されておらず、 将来新しいフィールドが追加されるかもしれない。
-P { cpu_list | ALL }
統計をレポートするプロセッサを指定する。 cpu_list はカンマ区切りの値または、値の範囲である (例 0,2,4-7,12-)。 プロセッサ 0 が最初のプロセッサで、プロセッサ all はすべてのプロセッサの平均である点に注意すること。 ALL キーワードを指定すると、すべてのノードの統計をレポートする。 オフラインのプロセッサは表示されない。
-u
CPU 利用状況がレポートされる。以下の値が表示される。

CPU

プロセッサ番号。 キーワード all はすべてのプロセッサの平均の統計を表す。

%usr

ユーザレベル (アプリケーション) で実行された CPU 利用の割合。

%nice

nice 優先度を付けてユーザレベルで実行された CPU 利用の割合。

%sys

システムレベル (カーネル) で実行された CPU 利用の割合。 ハードウェア割り込みとソフトウェア割り込みへのサービスに 使った時間を含まない点に注意すること。

%iowait

システムに目立ったディスク I/O リクエストがあり、 CPU (群) がアイドル状態であった時間の割合。

%irq

CPU (群) がハードウェア割り込みへのサービスに使った時間の割合。

%soft

CPU (群) がソフトウェア割り込みへのサービスに使った時間の割合。

%steal

ハイパーバイザーが他の仮想プロセッサに サービスを行っているために、 仮想 CPU (群) が不本意に待たされている時間の割合。

%guest

CPU (群) が仮想プロセッサを実行するのに使った時間の割合。

%gnice

CPU (群) が nice されたゲストを実行するのに使った時間の割合。

%idle

CPU (群) がアイドル状態でシステムに目立った ディスク I/O リクエストがなかった時間の割合。
-V
バージョン番号を表示して、終了する。

 

環境変数

mpstat コマンドは下記の環境変数を利用する。

S_COLORS
この環境変数を設定すると、端末上で統計をカラー表示する。 この環境変数に指定可能な値は、 never, always, auto である (最後がデフォルトである)。

値を表示する色 (赤、黄、またはその他の色) は、色によって何かの意味を示している訳ではない。 色は値の範囲を示しているだけである。

S_COLORS_SGR
端末で統計を表示する際に、色とその他の属性を指定する。 この値は、コロン区切りの機能のリストで、デフォルトは H=31;1:I=32;22:M=35;1:N=34;1:Z=34;22 である。 サポートされている機能は以下のとおり。

H=
割合が 75% 以上の場合の SGR (Select Graphic Rendition) 部分文字列。

I=
CPU 番号を表示する SGR 部分文字列。

M=
割合が 50% から 75% の場合の SGR 部分文字列。

N=
0 以外の統計値を表示する SGR 部分文字列。

Z=
0 を表示する SGR 部分文字列。

S_TIME_FORMAT
この環境変数が存在し、かつ値が ISO の場合、レポートのヘッダの日付を表示する際に、 現在のロケールを無視する。 代わりに、 mpstat コマンドは ISO 8601 フォーマット (YYYY-MM-DD) を使う。 タイムスタンプも ISO 8601 フォーマットに従う。
 

mpstat 2 5
すべてのプロセッサの全体での統計を 2 秒間隔で 5 回レポートする。

mpstat -P ALL 2 5

すべてのプロセッサの統計を 2 秒間隔で 5 回レポートする。

 

バグ

mpstat コマンドが動作するためには、 /proc ファイルシステムがマウントされていなければならない。

 

ファイル

/proc システム統計を含むさまざまなファイルを保持する。

 

著者

Sebastien Godard (sysstat <at> orange.fr)  

関連項目

sar(1), pidstat(1), iostat(1), vmstat(8)

http://pagesperso-orange.fr/sebastien.godard/


 

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Time: 14:57:45 GMT, March 28, 2020