BRK

Section: Linux Programmer's Manual (2)
Updated: 2016-03-15
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名前

brk, sbrk - データセグメントのサイズの変更する  

書式

#include <unistd.h>

int brk(void *addr);

void *sbrk(intptr_t increment);

glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照):

brk(), sbrk():

glibc 2.19 以降:
_DEFAULT_SOURCE ||
    (_XOPEN_SOURCE >= 500) &&
    ! (_POSIX_C_SOURCE >= 200112L)
glibc 2.12 から 2.19 まで:
_BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE ||
    (_XOPEN_SOURCE >= 500) &&
    ! (_POSIX_C_SOURCE >= 200112L)
glibc 2.12 より前: _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE >= 500
 

説明

brk() と sbrk() は プログラムブレーク (program break) の場所を変更する。 プログラムブレークはプロセスのデータセグメント (data segment) の 末尾を示す (プログラムブレークは、初期化されていない データセグメントの末尾の直後の場所となる)。 プログラムブレークを増やすということは、そのプロセスへの メモリーを割り当てる効果があり、 プログラムブレークを減らすということは、メモリーを解放する ということである。

brk() は、データセグメントの末尾を addr で指定した値に設定する。 設定が行われるのは、指定した値が有効で、 システムに十分なメモリーがあり、 プロセスのデータサイズの最大値を超えていない場合である (setrlimit(2) を参照)。

sbrk() は、プログラムのデータ空間を increment バイトだけ増やす。 increment を 0 にして sbrk() を呼び出すことで、プログラムの現在のブレーク (break) 場所を知ることができる。  

返り値

成功した場合、 brk() は 0 を返す。 エラーの場合には、-1 を返し、 errnoENOMEM を設定する。

成功した場合、 sbrk() は変更前のプログラムブレークを返す (プログラムブレークが増やされた場合、この値は 新しく割り当てられたメモリーの先頭を指すポインターとなる)。 エラーの場合には、 (void *) -1 を返し、 errnoENOMEM を設定する。  

準拠

4.3BSD, SUSv1. SUSv2 では「過去の名残 (LEGACY)」と位置付けられており、 POSIX.1-2001 で削除された。  

注意

brk() や sbrk() を使用するのは避けること。 malloc(3) メモリー割り当てパッケージの方が、移植性が高く、 使いやすいメモリー割り当て方法を提供している。

いろいろなシステムにおいて、 sbrk() の引き数に様々な型が使われている。 一般的なのは int, ssize_t, ptrdiff_t, intptr_t である。  

C ライブラリとカーネルの違い

上で説明した brk() の返り値についての動作は、 Linux の brk() システムコールをラップする glibc の関数によるものである。 (その他の多くの実装でも、 brk() の返り値はこれと同じである。 この返り値は SUSv2 でも規定されている。) しかし、実際の Linux システムコールは、成功した場合、 プログラムの新しいブレークを返す。 失敗した場合、このシステムコールは現在のブレークを返す。 glibc ラッパー関数は同様の働きをし (すなわち、新しいブレークが addr より小さいかどうかをチェックし)、 上で説明した 0 と -1 という返り値を返す。

Linux では sbrk() は brk() システムコールを使うライブラリ関数として実装されており、 以前のブレークの値を返すことができるように内部で調整が行われている。  

関連項目

execve(2), getrlimit(2), end(3), malloc(3)  

この文書について

この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.07 の一部である。 プロジェクトの説明、バグ報告に関する情報、このページの最新版は、 http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。


 

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