BIND

Section: Linux Programmer's Manual (2)
Updated: 2020-06-09
Index Return to Main Contents
 

名前

bind - ソケットに名前をつける  

書式

#include <sys/types.h>          /* 「注意」参照 */
#include <sys/socket.h>

int bind(int sockfd, const struct sockaddr *addr,
         socklen_t addrlen);
 

説明

socket(2) でソケットが作成されたとき、そのソケットは名前空間 (アドレスファミリー) に 存在するが、アドレスは割り当てられていない。 bind() は、ファイルディスクリプター sockfd で参照されるソケットに addr で指定されたアドレスを割り当てる。 addrlen には addr が指すアドレス構造体のサイズをバイト単位で指定する。 伝統的にこの操作は 「ソケットに名前をつける」 と呼ばれる。

SOCK_STREAM ソケットが接続を受け付けられるようにするには (accept(2) を参照)、通常その前に bind() を使用してローカルアドレスを割り当てる必要がある。

名前付けのルールはアドレスファミリーごとに異なっている。詳細な情報は 第 7 章の各マニュアルを参照すること。 AF_INETip(7) を、 AF_INET6ipv6(7) を、 AF_UNIXunix(7) を、 AF_APPLETALKddp(7) を、 AF_PACKETpacket(7) を、 AF_X25x25(7) を、 AF_NETLINKnetlink(7) を参照。

addr 引き数に実際にどのような構造体が渡されるかは、 アドレスファミリーに依存する。 sockaddr 構造体は以下のような感じで定義されている: struct sockaddr {
    sa_family_t sa_family;
    char        sa_data[14]; } この構造体は、 addr に渡される構造体へのポインターをキャストし、 コンパイラの警告メッセージを抑えるためだけに存在する。 下記の「例」を参照。  

返り値

成功した場合にはゼロが返される。エラー時には -1 が返され、 errno が適切に設定される。  

エラー

EACCES
そのアドレスは保護されていて、かつユーザーがスーパーユーザーではない。
EADDRINUSE
指定されたアドレスが既に使用中である。
EADDRINUSE
(インターネットドメインソケットの場合) ソケットアドレス構造体でポート番号に 0 が指定されたが、 一時ポート (ephemeral port) を割り当てようとした際に、 一時ポートとして使用する範囲のすべてのポート番号が使用中であった。 ip(7) の /proc/sys/net/ipv4/ip_local_port_range の説明を参照。
EBADF
sockfd が不正なファイルディスクリプターである。
EINVAL
ソケットがすでにアドレスに結びつけ (bind) られている。
EINVAL
addrlen が間違っているか、 addr がこのソケットのドメインで有効なアドレスではない。
ENOTSOCK
ファイルディスクリプター sockfd が、ソケットを参照していない。

以下のエラーは UNIXドメイン (AF_UNIX) のソケット特有である:

EACCES
パス名の構成要素に検索許可 (search permission) がない (path_resolution(7) も参照すること)。
EADDRNOTAVAIL
存在しないインターフェースが要求されたか、要求されたアドレスが ローカルではなかった。
EFAULT
addr がユーザーのアクセス可能なアドレス空間の外を指している。
ELOOP
addr を解決する際に遭遇したシンボリックリンクが多過ぎる。
ENAMETOOLONG
addr が長過ぎる。
ENOENT
ソケットパス名のディレクトリプレフィックスの構成要素が存在しない。
ENOMEM
カーネルに、利用可能なメモリーが十分にない。
ENOTDIR
パス名の構成要素がディレクトリではない。
EROFS
ソケット inode が読み込み専用のファイルシステム上にある。
 

準拠

POSIX.1-2001, POSIX.1-2008, SVr4, 4.4BSD (bind() は 4.2BSD で最初に現われた)。  

注意

POSIX.1 では <sys/types.h> のインクルードは必須とされておらず、 Linux ではこのヘッダーファイルは必要ではない。 しかし、歴史的には、いくつかの実装 (BSD 系) でこのヘッダーファイルが 必要であり、移植性が必要なアプリケーションではこのファイルを インクルードするのが賢明であろう。

socklen_t の型のバックグランドについては、 accept(2) を参照すること。  

バグ

透過的プロキシ (transparent proxy) オプションについて記述していない。  

インターネットドメインソケットでの bind() の利用例が getaddrinfo(3) に記載されている。

以下の例は、UNIX ドメイン (AF_UNIX) でストリームソケットを bind する方法を示したものである。

#include <sys/socket.h> #include <sys/un.h> #include <stdlib.h> #include <stdio.h> #include <string.h>

#define MY_SOCK_PATH "/somepath" #define LISTEN_BACKLOG 50

#define handle_error(msg) \
    do { perror(msg); exit(EXIT_FAILURE); } while (0)

int main(int argc, char *argv[]) {
    int sfd, cfd;
    struct sockaddr_un my_addr, peer_addr;
    socklen_t peer_addr_size;


    sfd = socket(AF_UNIX, SOCK_STREAM, 0);
    if (sfd == -1)
        handle_error("socket");


    memset(&my_addr, 0, sizeof(struct sockaddr_un));
                        /* Clear structure */
    my_addr.sun_family = AF_UNIX;
    strncpy(my_addr.sun_path, MY_SOCK_PATH,
            sizeof(my_addr.sun_path) - 1);


    if (bind(sfd, (struct sockaddr *) &my_addr,
            sizeof(struct sockaddr_un)) == -1)
        handle_error("bind");


    if (listen(sfd, LISTEN_BACKLOG) == -1)
        handle_error("listen");


    /* Now we can accept incoming connections one
       at a time using accept(2) */


    peer_addr_size = sizeof(struct sockaddr_un);
    cfd = accept(sfd, (struct sockaddr *) &peer_addr,
                 &peer_addr_size)
    if (cfd == -1)
        handle_error("accept");


    /* Code to deal with incoming connection(s)... */


    /* When no longer required, the socket pathname, MY_SOCK_PATH
       should be deleted using unlink(2) or remove(3) */ }  

関連項目

accept(2), connect(2), getsockname(2), listen(2), socket(2), getaddrinfo(3), getifaddrs(3), ip(7), ipv6(7), path_resolution(7), socket(7), unix(7)  

この文書について

この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.07 の一部である。 プロジェクトの説明、バグ報告に関する情報、このページの最新版は、 http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。


 

Index

名前
書式
説明
返り値
エラー
準拠
注意
バグ
関連項目
この文書について

This document was created by man2html, using the manual pages.
Time: 00:27:21 GMT, January 02, 2021